大西教授が、京大・小川順教授とともに編集した「応用微生物学 第4版」(文永堂出版, ISBN 978-4-8300-4146-4)が本日、出版されました。
胞子嚢形成時期に転写が顕著に増大する、二成分制御系の応答制御因子をコードするasfR遺伝子に着目して研究を行いました。asfR遺伝子破壊株では、形態的には正常な胞子嚢が形成されますが、この胞子嚢は開裂条件下において胞子を放出することができませんでした。開裂に必要な分子機構の基盤は、胞子嚢形成時に構築されていると考えれますが、asfR遺伝子破壊株では、この基盤構築に欠陥があると考えられます。
第1回 野田産研 発酵化学シンポジウムにおいて、大西教授が「放線菌の形態分化:遺伝子発現制御と分子メカニズム」と題して発表を行いました。
一年前にNature Communicationsで発表した希少放線菌の新規シグマ-アンチシグマ系に関する研究について、「化学と生物」の「解説」でその内容を掘り下げて記述しました。
希少放線菌の遊走子は、豊栄養な環境に辿り着くと遊泳を停止し、発芽して菌糸状の生育を開始します。この際、べん毛モーターのブレーキの役割を担うタンパク質を発見しました。本研究は、希少放線菌の複雑な生活環を支える巧妙な分子機構の1つを解明しただけでなく、高性能ナノマシンである細菌べん毛モーターの分子機構解明の新たな糸口を見出した点で重要です。
放線菌の持つavenalumic acidとp-coumaric acid生合成経路から見出されたジアゾ基合成酵素を活用し、in vivo, in vitro2つの方法論でPhenyldiazene誘導体の生産に成功しました。ジアゾ基を基盤とした天然物誘導体化が実際に行えることを示した重要な成果です。