希少放線菌が形成する胞子嚢から胞子が放出される際、胞子嚢内部で胞子を包むマトリクス成分を分解する2つの多糖加水分解酵素GimAとGimBを発見しました。また、胞子嚢マトリクスの主要な構成成分が、オリゴ糖を繰り返し単位とする多糖であることを示すとともに、胞子嚢マトリクス多糖の合成に関わる遺伝子クラスターを同定しました。

https://journals.asm.org/doi/10.1128/mbio.02682-25
研究科HP

微生物化学研究所との共同研究により、ジアゾ基をもつアミノ酸thrazarineの生合成遺伝子クラスターを明らかにしました。さらに、thrazarineの生合成において、l-スレオニンを基質とする新規なヒドラジンシンターゼを同定しました。本研究はジアゾ基生合成に新たな知見を与える重要な研究成果です。

https://chemistry-europe.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/cbic.202500298

X線結晶構造解析、クライオ電子顕微鏡単粒子解析、生化学的な解析と計算科学を駆使して、ATP依存型ジアゾ基合成酵素の反応機構を明らかにしました。本研究成果を活用して、今後多様なジアゾ基含有化合物の酵素合成が可能になると期待されます。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.202505851

胞子嚢形成時期に転写が顕著に増大する、二成分制御系の応答制御因子をコードするasfR遺伝子に着目して研究を行いました。asfR遺伝子破壊株では、形態的には正常な胞子嚢が形成されますが、この胞子嚢は開裂条件下において胞子を放出することができませんでした。開裂に必要な分子機構の基盤は、胞子嚢形成時に構築されていると考えれますが、asfR遺伝子破壊株では、この基盤構築に欠陥があると考えられます。

Microbiol. Spectr., e03272-24.

ゲノムデータベースを活用し、(2S,5S)-もしくは(2S,5R)-5-hydroxylysineを合成するリジン5位水酸化酵素を複数同定することに成功しました。これらの研究成果は医薬品前駆体の生産に活用できると期待されます。

https://chemistry-europe.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/chem.202404790
研究科HP

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